チャールズ・シュワブ、融資拡大が利益を押し上げ、資金調達の必要性も高まる
チャールズ・シュワブの2026年第2四半期の純利益は28億ドルとなり、前年同期比32%増加した。顧客向け融資の拡大、資金調達コストの低下、取引や投資サービスの手数料増加が利益を押し上げた。上半期には、銀行預金と証券口座の顧客現金残高の合計よりも融資が速いペースで増え、短期借入の追加がその資金の一部を支えた。成長の源は、従来の銀行資金調達コストの削減だけではなくなっている。ただし、顧客向け融資をさらに増やすには、資本を慎重に使う必要がある。
報告基準:チャールズ・シュワブおよび連結子会社を対象とし、米国会計基準に準拠する。2026年6月30日に終了した四半期の未監査のForm 10-Qに基づく。提出日は2026年8月7日、SEC受付番号は0000316709-26-000031、CIKは0000316709。四半期比較の対象は4月~6月、上半期比較の対象は1月~6月。貸借対照表の比較基準日は2025年12月31日。情報の基準日は2026年8月7日、調査日は2026年10月7日。その後の事業動向は今回の評価に含めない。
出典:SEC提出書類の識別情報と提出日;2026年第2四半期のForm 10-Q、表紙、「概要」4~6ページ、「純金利収入」8~10ページ、「キャッシュフローの動向」22ページ、連結損益計算書29ページ。
1. 顧客取引の拡大が利益につながっている
シュワブは個人の投資商品の購入と保有を支援し、資産運用や銀行サービスを提供している。また、独立系ファイナンシャルアドバイザーの顧客向けに、投資商品の保管、取引サービス、銀行サービスを提供する。こうした顧客との関係から、手数料、取引収入、利息を得ている。
顧客がシュワブを通じて保有する投資資産は、シュワブ自身が所有する資産とは異なる。6月30日時点の顧客資産は13兆800億ドルだったのに対し、同社自身の連結貸借対照表に計上された資産は5,173億ドルだった。顧客の投資資産が増えれば、シュワブ自身の貸借対照表を拡大せずに手数料を増やせる。一方、融資には資金調達が必要になる。
四半期と上半期のいずれも、収益の伸びが費用の伸びを上回った。四半期の収益は12億2,100万ドル増加し、利息を除く費用の増加は3億5,500万ドルだった。その差によって、税引前利益は8億6,600万ドル増加した。
税引前利益率は、収益のうち法人税などを支払う前に利益として残る割合を示す。希薄化後一株当たり利益(EPS)は、普通株主に帰属する利益を平均株式数で割ったものだ。従業員向けの株式報酬によって将来増える可能性のある株式も考慮する。
| 連結業績(百万米ドル、EPS・利益率を除く) | 2025年第2四半期 | 2026年第2四半期 | 2025年上半期 | 2026年上半期 |
|---|---|---|---|---|
| 純収益合計 | 5,851 | 7,072 | 11,450 | 13,554 |
| 利息を除く費用 | 3,048 | 3,403 | 6,192 | 6,697 |
| 税引前利益 | 2,803 | 3,669 | 5,258 | 6,857 |
| 純利益 | 2,126 | 2,800 | 4,035 | 5,279 |
| 税引前利益率 | 47.9% | 51.9% | 45.9% | 50.6% |
| 希薄化後EPS(米ドル) | 1.08 | 1.54 | 2.07 | 2.91 |
報告基準:純収益はすでに支払利息を差し引いた金額である。この費用を再び差し引くと、利益を実際より少なく見積もることになる。ここでは、全社の利益を測る指標として税引前利益が適切である。提出書類には、一般の事業会社のような営業利益の小計は別途示されていない。
出典:2026年のForm 10-Q、「概要」4ページ、連結損益計算書29ページ、注記1の36ページ。
改善は単に税負担が軽くなったためではない。四半期の税引前利益は31%増え、純利益は32%増えた。実効税率は24.2%から23.7%に低下した。経営陣は、主な要因として州税費用の減少と、税務上損金に算入できない預金保険料の減少を挙げた。ただし、ほかの税務項目がその効果を一部打ち消した。
出典:2026年のForm 10-Q、「法人税等」14ページ。
収益の増加をすべて事業の拡大とみなすことにも限界がある。SECの料率変更後、顧客から徴収し、そのまま費用として支払う証券取引手数料が増えた。これは収益と費用の両方を増やすが、純利益は増やさない。提出書類には、この影響をすべて調整するための金額は示されていない。
費用増加の多くは人件費で説明できる。四半期の報酬・福利厚生費は2億5,400万ドル増え、利息を除く費用の増加額3億5,500万ドルの約72%を占めた。経営陣は、勤務評価に基づく昇給、従業員・アドバイザー・ファイナンシャルコンサルタントの増員、業績連動報酬の増加を理由に挙げた。平均従業員数の増加は約3%にとどまった一方、業績連動報酬は39%増えた。費用には、事業を支える人員の拡充と業績の向上の両方が反映されている。
出典:2026年のForm 10-Q、「その他の収益」および「利息を除く総費用」12~14ページ。
2. 金利収益に占める融資の役割が大きくなった
顧客がシュワブの銀行に現金を預けると、シュワブはその資金を融資や投資に使い、顧客に利息を支払う。預金やその他の資金調達にかかる利息を支払った後に残る収入が、純金利収入である。四半期の純金利収入は5億3,500万ドル増え、収益全体の増加額の約44%を占めた。表には純金利マージンも示している。これは、利息を生む資産の平均残高に対する、年率換算した純金利収入の割合であり、残高にはシュワブの定義を用いている。
| 金利関連業務(百万米ドル、比率を除く) | 2025年第2四半期 | 2026年第2四半期 |
|---|---|---|
| 受取利息 | 3,787 | 4,146 |
| 支払利息 | 965 | 789 |
| 純金利収入 | 2,822 | 3,357 |
| 銀行融資の平均残高 | 48,691 | 63,823 |
| 純金利マージン(年率) | 2.66% | 3.00% |
出典:2026年のForm 10-Q、純金利収入の表8~10ページ、注記4の39ページ。
融資残高の拡大と資金調達コストの低下が、一部資産の利回り低下を上回った。四半期の銀行融資からの受取利息は1億7,500万ドル増え、証券口座の顧客に対する債権からの受取利息は2億8,800万ドル増えた。これらの増加は、有価証券と分別管理する現金からの受取利息の減少を上回った。同時に、預金への支払利息は2億1,200万ドル減り、連邦住宅貸付銀行への支払利息は1億900万ドル減った。
一方、ほかの費用の増加がこの効果を一部打ち消した。証券会社や清算機関に対する債務の支払利息は1億900万ドル、短期借入の支払利息は2,400万ドル、長期債務の支払利息は2,200万ドル増加した。シュワブは借入の必要性をなくしているのではなく、資金調達の組み合わせを変えている。
過去の業績は、この違いが重要な理由を示している。通期の純金利収入は2023年の94億2,700万ドルから2024年の91億4,400万ドルへ減少し、その後2025年には117億5,000万ドルまで回復した。2025年に、シュワブは銀行の補完的な資金調達残高を448億ドル減らし、51億ドルとした。これには銀行借入と、仲介業者を通じて販売した譲渡性預金(CD)が含まれる。
2026年6月時点で、連邦住宅貸付銀行からの借入は5億ドルにとどまっていた。この借入をさらに返済しても、費用を削減できる余地は以前よりはるかに小さい。金利収入の成長を維持するには、融資需要、資金調達コスト、入れ替え後の資産の収益率がますます重要になる。
出典:2026年のForm 10-Q、8~10ページおよび注記4;2025年のForm 10-K、「経営陣による財政状態および経営成績の検討と分析」の「概要」と「純金利収入」、2025年・2024年・2023年の通期比較。
会計上の区別で特に重要な点が1つある。アドバイザーの顧客の中には、有価証券の購入と、借りた有価証券を売る「空売り」を組み合わせる人がいる。こうした顧客の借入と関連する現金の貸方残高は、貸借対照表上、顧客勘定の中で相殺して純額で表示される。また、提出書類では、金利マージンの計算に使う平均資産残高と平均資金調達残高から、対応する一部の残高を除いている。シュワブがこれらから一定の純利回りを得るためである。
7月の決算発表では、信用取引向け融資は1,651億ドルで、そのうち421億ドルがこうした投資手法に関連すると報告された。一方、Form 10-Qでは、別の会計指標である証券口座の顧客に対する純債権が1,228億ドルと報告された。丸められた数値の1つをもう一方から差し引くだけでは、両者の違いを完全には説明できない。債権にはほかの構成項目も含まれるためだ。この分析では、貸借対照表とキャッシュフローの比較に、提出書類の連結ベースの債権残高を用いる。
報告基準:Form 10-Qでは、年後半の表示方法の変更(-2025)に合わせて、2025年の平均残高の比較値を再計算している。さらに2026年第2四半期の変更では、一定の利回りから得る収入を「その他の受取利息」に純額で表示した。影響は重要ではないと判断されたため、それ以前の期間は修正していない。受取利息や支払利息の各項目を個別に解釈するよりも、純金利収入の合計を比較する方が有用である。
出典:2026年のForm 10-Q、「純金利収入」7~10ページおよび注記4;2026年7月21日の決算発表、顧客・事業の主な動向および脚注2。
3. アドバイザーと運用サービスが手数料事業を強化
四半期に顧客からシュワブに流入したコア純新規資産は1,198億ドルで、前年同期の803億ドルを上回った。この指標は、顧客が持ち込んだ資金や投資資産から引き出した分を差し引き、外部の仲介業者が販売するシュワブ銀行の譲渡性預金に伴う資金移動を除いたものだ。顧客資産の総額を増やす市場価格の上昇と、顧客による資産の流入・流出を分けて捉えられる。
四半期の資産運用・管理手数料は16%増の18億2,500万ドルとなった。このうち、顧客に代わって投資資産を運用するサービスの収益は20%増の7億700万ドルだった。こうした運用サービスの手数料は、融資や取引以外の収入源を増やしている。
ただし、顧客資産総額の平均残高は26%増え、これらの手数料より速く伸びた。顧客資産総額には、手数料率が異なる資産や、資産残高に応じた手数料がかからない資産も含まれる。そのため、13兆800億ドル全体に1つの手数料率を当てはめると、シュワブが得られる収益を過大に見積もることになる。
より直接的な比較ができるのは、運用サービスの中での比較である。手数料を受け取るサービスの平均資産残高は約28%増えた一方、その収益の伸びは20%だった。運用する資産額に対して得られる収益は減少した。ただし、提出書類では、この変化のうち手数料設定とサービス構成の変化がそれぞれどの程度影響したかは分けて示されていない。
| 有料運用サービス(百万米ドル、年率手数料収入率を除く) | 2025年第2四半期 | 2026年第2四半期 |
|---|---|---|
| 顧客資産の平均残高 | 595,203 | 763,716 |
| 収益 | 589 | 707 |
| 平均手数料収入率(年率) | 0.40% | 0.37% |
計算注記:平均資産残高の増加率 = 763,716 / 595,203 − 1 = 28.31%;収益の増加率 = 707 / 589 − 1 = 20.03%。手数料収入率はシュワブが報告した年率換算の指標であり、利益率ではない。
出典:2026年のForm 10-Q、「資産運用・管理手数料」10ページ。
上半期の資産獲得では、独立系アドバイザー経由の流入がより強かった。アドバイザー・サービス部門の純新規資産は1,053億ドルから1,660億ドルに増加した。インベスター・サービス部門は1,007億ドルから926億ドルに減少した。開示された仲介業者経由の譲渡性預金の流出を除いて計算すると、インベスター・サービス部門のコア流入額は938億ドルで、比較対象期間は1,127億ドルだった。したがって、全社では好調でも、この基準で見た上半期の個人向け部門への流入は弱まっている。
| 部門別業績(百万米ドル) | 2025年第2四半期収益 | 2026年第2四半期収益 | 2025年第2四半期税引前利益 | 2026年第2四半期税引前利益 |
|---|---|---|---|---|
| 投資家向けサービス | 4,635 | 5,528 | 2,274 | 2,865 |
| アドバイザー向けサービス | 1,216 | 1,544 | 529 | 804 |
| 連結合計 | 5,851 | 7,072 | 2,803 | 3,669 |
報告基準:部門別業績は、チャールズ・シュワブによる収益と費用の配分に基づく。提出書類では部門間の収益はないと報告している。部門別業績の合計は連結業績と一致する。
出典:2026年フォーム10-Q、概要、4ページ;部門別説明および純新規流入資産の表、15–16ページ;注記4および19、39および68–69ページ。
収益のうち税引前利益として残った割合を計算すると、アドバイザー向けサービスは43.5%から52.1%に上昇し、投資家向けサービスも49.1%から51.8%に改善した。アドバイザーがより多くの資産を呼び込み、利益の伸びも速かった。ただし、利益への貢献額は引き続き投資家向けサービスの方が大きかった。両部門とも金融市場の影響を受けやすい。
取引件数にも、量を見る際の二つ目の注意点がある。一日平均取引件数は57%増えて11.9百万件となったが、取引収益の増加率は28%だった。一件当たりの収益は$2.03から$1.64に低下した。取引の構成が変わり、一件当たりに得られる収益が減った。顧客の注文を取引先に回す対価として受け取った額は4億6,600万ドルから6億2,400万ドルに、売買委託手数料は4億3,100万ドルから5億2,800万ドルに増加した。
銀行預金口座手数料は、単価の上昇が量の減少を補った別の例である。この手数料は、シュワブ傘下の銀行ではなく、TD傘下の銀行に預けられた顧客の現金から生じる。平均残高は13%減少したが、純利回りが1.19%から1.83%に上がったため、収益は2億4,700万ドルから3億3,300万ドルに増加した。
シュワブは上半期に、この残高のうち30億ドルを自社の貸借対照表に移した。これによりTD関連の手数料を得られる残高は減るが、シュワブが貸し出しや投資に使う資金を確保できる。契約では少なくとも600億ドルをTDに残す必要があり、6月30日時点の実際の残高は707億ドルだった。したがって、この移管による資金調達には限りがあり、自由に使える無制限の資金源ではない。
出典:2026年フォーム10-Q、取引収益および銀行預金口座手数料、11–12ページ;注記4および11、39および52–53ページ。
4. 貸借対照表は貸出と証券取引向け融資に比重を移している
顧客向け貸出は、会社の自己資本を大きく上回るペースで増加した。自己資本は資産から負債を差し引いた額で、会社が損失を吸収する支えとなる。上半期に、証券取引の顧客に対する債権は181億8,800万ドル、銀行貸出金の純額は90億4,100万ドル増加した。ほかの資産で現金や有価証券が減ったため、この二つの増加額の合計は総資産の増加額262億7,100万ドルを上回った。
| 連結貸借対照表(百万米ドル) | 2025年12月31日 | 2026年6月30日 |
|---|---|---|
| 現金および現金同等物 | 46,030 | 40,580 |
| 分別管理の現金・投資資産 | 42,931 | 33,011 |
| 証券会社・清算機関向け債権 | 7,190 | 22,004 |
| 証券顧客向け債権(純額) | 104,660 | 122,848 |
| 売却可能有価証券 | 62,357 | 62,467 |
| 満期保有有価証券 | 133,969 | 130,568 |
| 銀行貸出金(純額) | 57,955 | 66,996 |
| 総資産 | 490,995 | 517,266 |
| 銀行預金 | 255,747 | 249,682 |
| 証券会社・清算機関向け債務 | 25,689 | 43,826 |
| 証券顧客向け債務 | 116,341 | 123,968 |
| その他の短期借入金 | 6,913 | 13,945 |
| 連邦住宅貸付銀行借入金 | 1,850 | 500 |
| 長期債務 | 22,199 | 22,669 |
| 負債合計 | 441,570 | 467,119 |
| 株主資本合計 | 49,425 | 50,147 |
報告基準:主な勘定項目と、全項目を含む合計額を示した。分別管理資産は顧客保護の要件に従って保有されており、そのすべてが会社の自由に使える現金ではない。
出典:2026年フォーム10-Q、連結貸借対照表、31ページ;注記5および18。表の数値はすべて提出書類に基づく。
追加参考資料:SEC企業別会計項目データ、us-gaap:Assets、米ドル。この補足データは利用できず、独立した検証には使えなかった。
他の証券会社に対する債権の急増は、主に有価証券の借り入れを反映している。この部分は47億9,700万ドルから190億2,700万ドルに増加した。負債側では、有価証券の貸し出しに伴って受け取った担保金が251億3,100万ドルから386億5,900万ドルに増えた。また、証券会社が有価証券を担保に短期資金を借りるレポ取引は、5,000万ドルから35億ドルに増加した。これらの活動は取引と資金調達を支える一方、担保の差し入れや返済の義務を生む。
銀行貸出の増加は、有価証券担保融資枠と住宅ローンに集中していた。資産担保融資枠の残高は266億300万ドルから334億1,600万ドルに、第一順位抵当住宅ローンは304億8,400万ドルから327億8,200万ドルに増加した。前者では、顧客が保有する投資資産を担保に借り入れできる。シュワブがロケット・モーゲージと共同ブランドで提供する住宅ローン制度も、別の経路となっている。この制度による第一順位抵当住宅ローンの買い取り額は、前年同期の27億ドルに対し、上半期には46億ドルとなった。
貸出の健全性は引き続き高かったが、延滞初期の動きには注意が必要である。返済が遅れている銀行貸出と、その他の利息収益の計上を停止した銀行貸出の合計は、9,200万ドルから1億5,100万ドルに増加した。主に延滞30–59日の区分で増えている。延滞が90日を超える貸出と、その他のシュワブが利息収益の計上を停止した貸出は、4,300万ドルから2,600万ドルに減少した。増加は延滞初期に集中している。
銀行貸出で予想される損失に備えて帳簿上に計上する貸倒引当金は、3,600万ドルから3,700万ドルに増加した。期首残高に予想損失の費用純額100万ドルを加えたものが期末残高であり、貸出の償却や償却済み貸出の回収はなかった。したがって、貸出残高に対する引当金の比率が下がったことは、引当金の取り崩しを意味しない。各報告日時点で、資産担保融資枠のすべてに十分な担保があり、開示された会計処理方法では引当金は不要だった。ただし、担保価格が急落するリスクは残る。第一順位抵当住宅ローンと住宅担保融資枠の残高のうち、カリフォルニア州が40%を占め、地域的な集中もみられる。
出典:2026年フォーム10-Q、注記5、7および11、40、44–45および52ページ。
有価証券は、得られる利回りが比較的低く、時価の下落による含み損もあるため、引き続き重要である。満期保有に分類された有価証券は通常、現在の売却価格ではなく、取得原価に調整を加えた金額で帳簿に計上する。6月30日時点では、その帳簿価額1,305億6,800万ドルが公正価値を93億6,200万ドル上回っていた。この差は年末の79億1,400万ドルから拡大した。売却可能に分類された有価証券は、現在の公正価値で計上する。取得原価に対する価値の不足額は、38億6,800万ドルから38億4,500万ドルへの変化にとどまった。
これらは貸し倒れによる予想損失ではない。ただし、有価証券を売却すると、返済を待てば回避できる可能性のある損失が確定することがある。シュワブには、過去に満期保有区分へ振り替えた際の税引後損失73億ドルも残っていた。これは、純利益に含めない一部の損益を記録する自己資本の勘定である「その他の包括利益累計額」に計上されている。過去に計上したこれらの損失を現在の時価の不足額に単純に足し合わせ、新たな損失とみなすべきではない。
不動産、設備、ソフトウェアの資産額は5億6,800万ドル増えて36億5,900万ドルとなった。主に後述する新たなソフトウェアライセンスを反映している。買収額のうち、個別に識別した純資産を差し引いた残りである「のれん」は3億3,900万ドル増加し、フォージの買収に対応していた。顧客関係や技術など、買収で取得した無形資産は、償却やその他の変動後では5,000万ドルの増加にとどまった。償却とは、帳簿に計上した取得費用を、利用できると見込む期間にわたって配分することである。その他の資産は19億3,200万ドル増加した。開示された要因には顧客契約に基づく債権や、手頃な価格の住宅に対する税額控除投資の増加が含まれる。ただし、提出書類にはこの勘定の変動要因全体を結びつける1つの完全な説明はない。
出典:2026年フォーム10-Q、貸借対照表、31ページ;注記3、4、6、8、10および16。
5. 営業活動から得た現金は増えたが、現金および現金同等物は減少した
シュワブの現金の流れは、顧客向け貸出、預金、使途が制限された現金と合わせて読む必要がある。営業活動によるキャッシュフローは95億3,600万ドルから増加し、上半期に116億4,200万ドルとなった。一方、計算書のほかの区分では、銀行貸出への資金供給や預金の引き出しに現金を使った。
| 連結キャッシュフロー(百万米ドル) | 2025年上半期 | 2026年上半期 |
|---|---|---|
| 営業活動による現金収入 | 9,536 | 11,642 |
| 投資活動による現金収支 | 19,546 | -6,424 |
| 財務活動による現金支出 | -39,027 | -5,677 |
| 現金増減(使途制限分を含む) | -9,945 | -459 |
| 期首現金(使途制限分を含む) | 65,514 | 69,661 |
| 期末現金(使途制限分を含む) | 55,569 | 69,202 |
出典:2026年フォーム10-Q、連結キャッシュフロー計算書、34–35ページ。
利益から営業活動の現金収支への調整は、52億7,900万ドルの利益を出発点とする。株式報酬や減価償却・償却など、現金支出を伴わない項目とその他の調整で16億600万ドルを加えた。営業活動に関わる資産と負債の変動から、さらに47億5,700万ドルの現金が生じた。
この純流入の裏には、大きな流入と流出があった。証券顧客向け債権の増加に182億2,200万ドルを使った一方、証券顧客向け債務の増加で76億2,700万ドルの現金が生じた。証券会社・清算機関との債権債務残高の変動からは、差し引き33億2,300万ドルが生じた。分別管理する投資資産の減少で149億1,100万ドルの現金が生じた一方、その他の営業資産と未払債務の変動で現金を使った。これらの流れは、顧客の取引に資金を供給し、保護する活動を反映している。
投資活動の現金収支がマイナスに転じた主因は、銀行貸出の増加に90億6,500万ドルを使ったことである。有価証券の購入、売却、元本返済を合わせると38億7,200万ドルの現金流入となったが、貸出による流出額を大きく下回った。買収には、取得した現金を差し引いて5億7,700万ドルを使った。設備、不動産、ソフトウェアの現金購入には3億2,500万ドルを使った。
財務活動の現金収支には、銀行預金の純減60億6,500万ドル、普通株式の自社株買いへの支払い33億7,700万ドル、配当の支払い12億7,500万ドルが含まれる。その他の短期借入による純調達額69億4,800万ドルが、貸出の増加を支える資金となった。
銀行預金の減少は、顧客の現金残高の合計が減ったことを意味しない。証券口座の顧客に返すべき金額が76億2,700万ドル増え、銀行預金の減少額を上回ったため、合計残高は15億6,200万ドル増加した。経営陣によると、証券子会社は、必要な支払資金を確保しながら信用取引向けの融資を支えるため、顧客の現金をシュワブの銀行預金に移さず、手元に置く場合がある。そのため、借り入れの必要性は、単に顧客の現金が流出したかどうかではなく、融資の拡大とグループ内のどこに資金があるかを反映する。
現金の定義によっても結論は変わる。使途が制限された分を含む期末現金残高は692億200万ドルで、このうち286億2,200万ドルは顧客保護のために使途が制限された現金だった。貸借対照表に別途記載された現金・現金同等物は54億5,000万ドル減って405億8,000万ドルとなった一方、使途制限付き現金は49億9,100万ドル増えた。この別記された残高を、親会社が株主への還元に自由に使える現金と見なすべきではない。子会社の資金需要や資本規制も考慮する必要がある。
出典:2026年のフォーム10-Q、連結キャッシュフロー計算書、34–35ページ;資金の動き、22ページ;注記18。
投資支出についても、区別が必要だ。経営陣が報告した上半期の設備投資額は9億6,500万ドルだったが、投資活動の現金支出に計上された購入額は3億2,500万ドルだけだった。差額の6億4,000万ドルは、現金支払いを伴わない資産購入の未払額の変動として開示されている。増加分の大半は、資産と負債の両方に計上された6億3,300万ドルの複数年ソフトウェアライセンスによるものだった。
シュワブは、このソフトウェアに関する支払義務について、初回に4,900万ドルを支払った。その後も2033年3月まで毎年の支払いが予定されている。設備の追加は、通信設備、オフィスの拡張、建物の改良にも充てられた。提出書類では、支出を維持目的と成長目的に分けていない。また、営業活動による現金収支から設備購入額を差し引くだけでは、キャッシュフロー計算書の別の箇所に記載される銀行融資や預金の引き出しに必要な現金が抜け落ちる。したがって、この引き算だけでは、融資を行うこの事業がどれだけの現金を株主に還元できるかは分からない。
法人所得税の現金支払額は、前年同期の8億1,800万ドルに対し17億9,200万ドルで、当期上半期の法人所得税費用15億7,800万ドルを上回った。税金を現金で支払う時期と、会計上の費用として計上する時期は異なる。提出書類には、支払時期による差をすべて説明する内訳がないため、増加の原因を推測で決めつけるべきではない。
出典:2026年のフォーム10-Q、設備投資、14ページ;キャッシュフローの補足開示、35ページ;注記10、49–50ページ。
6. 支払資金は豊富だが、借入金の返済期限を見据えた管理が必要
シュワブは相応の支払資金を確保している一方、短期の債務を借り換える必要性も高まっている。その他の短期借入金は、上半期に二倍強に増えた。連邦住宅貸付銀行からの借入金を含め、2026年の残りの期間に137億1,900万ドル、2027年に7億2,600万ドルの返済期限が来る。これとは別に、証券事業の資金調達に伴う債務も返済期限が短い。
有価証券を貸し出す取引に伴う負債には、翌日が返済期限、または期限を定めず継続するものが272億ドル、35–95日以内に返済期限が来るものが115億ドル含まれていた。これらは、活発に行われている担保付きの有価証券貸付事業に裏付けられた一時的な資金だ。その返済義務は、関連する資産と合わせて評価する必要がある。
長期債務の返済予定額は、2026年の残りの期間が10億1,000万ドル、2027年が34億9,300万ドル、2028年が19億9,900万ドル、2029年が52億6,800万ドルだった。同社は第2四半期に32億5,000万ドルの普通社債を新たに発行し、当初金利は4.603%、4.744%、5.493%だった。金利変動を抑える取引、手数料、その後の金利改定を反映する前の、当初の契約に基づく年間利息は約1億6,200万ドルとなる。これは返済済みの債務による利息の減少分を差し引く前の、新規社債の費用総額だ。
親会社が発行済みの普通社債の契約金利は、金利変動を抑える契約を反映する前の加重平均で4.17%だった。固定金利と変動金利の支払いを交換する金利スワップによって、同社の実際の借入コストは変わる。また、一部の社債は後に市場の基準金利に連動する金利へ切り替わる。そのため、借り換えリスクには、借り入れができるかどうかと、新たな資金調達にいくらかかるかの両方が含まれる。
出典:2026年のフォーム10-Q、資金調達源と長期借入金、21–23ページ;注記10、49–52ページ。
こうした債務に対し、平均の流動性カバレッジ比率は135%で、第1四半期から変わらなかった。この比率は、基準を満たす売却しやすい資産と、30日間の厳しい状況を想定した資金流出額を比べるものだ。対象資産は平均519億2,700万ドルで、想定資金流出額は385億3,400万ドルだった。シュワブは、これとは別の安定した資金調達に関する要件も満たしたと報告している。
すでに差し入れた担保を使って追加で借りられる枠には、連邦住宅貸付銀行の328億3,600万ドルと、連邦準備制度の貸出窓口の279億6,700万ドルが含まれていた。銀行預金の80%超が、連邦預金保険公社(FDIC)の保険対象だった。担保付きの借入可能額は、担保や融資制度の条件によって変わる。銀行が融資を確約していない信用枠では、未使用分を貸し出す約束はない。同様に、投資家に販売する短期債務であるコマーシャルペーパーの発行が認められていても、投資家が購入する保証はない。
借入契約の条件と、グループ内の法人ごとの制約も重要だ。銀行子会社が連邦住宅貸付銀行から新たに借り入れるには、無形資産を除いた資本をプラスに保つ必要がある。銀行や証券会社の資本規制は、資金の移動や株主への還元を制限する。証券子会社の規制上の純資本は161億2,400万ドルだった。これは、資産や債務に必要な調整を加えた後の財務上の余力を示す指標だ。6月30日時点で、適用される必要額を125億7,800万ドル上回っていた。
リースの支払いは比較的小さいが、契約上の義務である点は変わらない。直近の完全な支払予定表である2025年12月31日時点の表では、将来のオペレーティング・リース支払額は10億1,900万ドル、将来の支払いを現在の価値に割り引いた負債額は9億300万ドルだった。この年末の予定表では、2026年の支払予定額は2億2,400万ドルだった。上半期の提出書類は、リース負債に含まれる金額に対する支払いが1億2,200万ドル、新たなオペレーティング・リース債務が1億ドルだったと報告しているが、完全な予定表に代わるものではない。6月のファイナンス・リース負債は2,300万ドルで、ソフトウェアの資金調達に伴う債務とは別だ。
出典:2026年のフォーム10-Q、20–22、35ページ、注記10および18;2025年のフォーム10-K、注記14「リース」、92ページ。
7. 自社株買いは一株当たり利益を押し上げる一方、資本の積み上がりを抑えた
経営陣が示す資本方針は、事業の成長、子会社、規制上の要件に必要な資本を確保したうえで、余剰資本を還元するというものだ。自社株買いは、将来の利益を分け合う株式数を減らす。一方で、より多くの資産を支えたり、損失を吸収したりするために使える現金も消費する。
一株当たり利益(EPS)の増加は主に利益の伸びによるもので、株式数の減少がその伸びをさらに押し上げた。四半期の普通株主に帰属する利益は35.6%増え、26億8,100万ドルとなった。株式数が増える可能性も織り込んだ希薄化後の平均株式数は4.6%減り、1.739十億株となった。この二つの変化により、報告EPSは約43%増加した。
シュワブは上半期に35.5百万株を買い戻したが、その他の株式の動きが買い戻しの一部を相殺したため、保有する自己株式の増加は約30.2百万株にとどまった。発行済み普通株式数は2.074十億株のままだった。買い戻した株式は自己株式として保有された。法律上は発行済みのままだが、株主の手元で流通する株式ではなくなった。株式報酬は、利益とキャッシュフローの調整で2億3,000万ドル計上された。現金支出を伴わない費用だが、従業員への報酬であることに変わりはなく、株式数を増やして一株当たりの持ち分を薄める要因にもなり得る。
| 資本の増減(百万米ドル) | 2026年上半期の増減 |
|---|---|
| 期首資本 | 49,425 |
| 純利益 | +5,279 |
| その他の包括利益(税引後) | +408 |
| 優先株発行額-償還額 | -575 |
| 普通株・優先株の決議済み配当 | -1,275 |
| 普通株買い戻し(物品税を含む) | -3,407 |
| 株式オプション行使など | +58 |
| 資本変動計算書の株式報酬加算額 | +211 |
| その他の資本増減 | +23 |
| 期末資本 | 50,147 |
報告上の基準:資本に計上される金額は、現金支払額と同じではない。特に、この表の自社株買いには物品税が含まれる。キャッシュフロー計算書では、普通株の買い戻しに支払った金額は33億7,700万ドルと報告されている。資本変動計算書の報酬計上額も、キャッシュフロー計算で利益に足し戻される2億3,000万ドルとは異なる。
出典:2026年のフォーム10-Q、29、31、33–35ページ;注記15および17。
利益剰余金は、利益、配当、優先株の償還に伴う2,500万ドルのみなし配当を反映した後で、39億7,900万ドル増加した。払込資本剰余金は1億8,300万ドル増えた。報酬などの計上による増加の一部を、株式オプション関連の変動が相殺した。自己株式の帳簿上の取得原価は32億9,800万ドル増加した。その他の包括損失累計額は4億800万ドル縮小した。ただし、有価証券についての説明から分かるように、時価下落による損失がすべて幅広く回復したわけではない。
連結の規制上のレバレッジ比率は、規制上の調整後の平均資産に対して、基準を満たす資本がどれだけあるかを示す。年末の9.3%から8.7%に低下し、対象資産一ドル当たりの適格資本が減ったことを意味する。シュワブの調整後の指標は、その他の包括利益累計額も含め、規制上の指標から除かれる有価証券の損失を反映する。この比率は7.1%から6.8%に低下した。経営陣が運営上の目標とする6.75%–7.00%の範囲内にはとどまったが、下限に近かった。これは経営上の目標であり、規制上の最低基準ではない。資産・負債の規模を引き続き急速に拡大し、株主還元も続けるには、社内に残す利益との釣り合いを取る必要があることを意味する。
利益を見る際にも、出発点は報告利益とすべきだ。シュワブの四半期の調整後普通株主帰属利益は28億1,100万ドルだった。報告利益26億8,100万ドルに、買収した無形資産の償却費1億4,200万ドルと買収・統合関連費用2,800万ドルを加え、税効果4,000万ドルを差し引いた額だ。前年同期の比較対象額は20億7,300万ドルで、報告利益19億7,700万ドルに償却費1億2,800万ドルを加え、税効果3,200万ドルを差し引いたものだった。
調整後EPSは、前年同期の$1.14に対して$1.62だった。買収した資産は収益を生み、その取得費用を期間に分けて計上する償却も続く。その他の利益、有価証券の売却損、優先株償還の影響も、すべて取り除かれているわけではない。そのため、調整後利益を、継続的に得られる利益の予測値としてそのまま使うことはできない。
出典:2026年のフォーム10-Q、資本管理、23–24ページ;非GAAP指標との調整表、26–28ページ;資本変動計算書、33ページ;注記15。
8. 新商品は選択肢を広げるが、費用と義務も伴う
シュワブは、対象となる顧客が未公開企業に投資できるようにするため、フォージを買収した。この買収により、シュワブの顧客網に未公開市場への投資機能が加わる。買収対価は6億3,600万ドルで、暫定的な買収会計では、のれん3億3,900万ドルと、個別に識別できる無形資産3億2,000万ドルが認識された。
フォージは商品の選択肢を広げるが、まだ利益には貢献していなかった。連結業績に含まれた第2四半期の収益は4,000万ドル、純損失は3,300万ドルだった。3月2日から6月30日までの期間では、収益は5,400万ドル、純損失は3,900万ドルだった。これらの数字に、別途開示された統合費用を機械的に組み合わせ、根拠のない買収関連の利益調整額を作るべきではない。
成功には、運営費用と統合費用をまかなえるほど顧客がサービスを利用する必要がある。シュワブの顧客網はサービスを届ける経路になるが、のれんが表すのは期待される便益であり、すでに稼いだ現金ではない。グループ全体に比べて収益への貢献が小さいことからも、フォージが今四半期の増益の主因ではなかったと分かる。
出典:2026年のフォーム10-Q、フォージの買収、6ページ;注記3、37–38ページ。
シュワブは5月に、ビットコインとイーサの直接売買サービスを順次開始した。4月の開始発表では、手数料を取引額の0.75%とし、取り扱う通貨の追加と送付・受け取り機能の計画を示した。事業上の狙いは、顧客がシュワブとの取引の中で、より多くの種類の資産を保有できるようにすることだ。
競合がいるため、このサービスの独自性には限りがある。フィデリティの6月24日の商品説明では、外部ウォレットとの送付・受け取り、対象顧客間の送付、2025年4月に開始した暗号資産の退職口座が、すでに提供されていると説明された。そのため、シュワブが計画する送付・受け取り機能は、競合がすでに持つ機能に対応するものだ。これらの機能から、どちらの事業者が最終的に利益を得られるかが分かるわけではない。
顧客の暗号資産を保護する仕組みには、具体的な業務上のリスクが伴う。シュワブのプレミア・バンクが保管と記録管理の責任を負い、パクソスが実際の保管と取引執行を担う。提出書類は、重大な事故が起きた場合、パクソスから回収できる損失額では、シュワブの賠償責任額をまかなえない可能性があると警告している。顧客の暗号資産には、FDICによる連邦預金保険も、証券投資者保護公社(SIPC)による証券顧客保護も適用されない。四半期の提出書類には、利益への大きな貢献を見積もるために必要な暗号資産事業単独の収支が、十分には開示されていない。
出典:シュワブによる2026年4月16日の暗号資産取引開始の発表;フィデリティによる2026年6月24日の商品説明、送付・受け取りと退職口座の項目;2026年のフォーム10-Q、6、70–71ページ。
ほかの契約上の約束も資金余力を使う。未実行の融資枠と住宅ローン買い取りの約束額は、合計33億3,200万ドルで、27億1,800万ドルから増加した。手頃な家賃の住宅への投資に関する負債は13億6,000万ドルだった。シュワブは、この注記で説明された未履行の約束のほぼすべてについて、2026年から2029年の間に支払うと見込んでいた。これらの投資は、資金を拠出する義務とともに税制上の利益も生む。上半期には、税額控除などの利益1億6,600万ドルに対し、投資原価の一部を費用として計上する償却額が1億2,700万ドル発生した。両方の金額が法人所得税費用に含まれていた。
コレンテ反トラスト訴訟の和解は裁判所の最終承認を受けていたが、異議を唱えた者が上訴していた。開示された和解には、金銭以外の履行義務と、重要性の低い弁護士報酬・費用が含まれていた。提出書類には、追加損失について信頼できる見積もりが示されていない。清算機関への保証も、一定の事態が起きたときに支払いが必要になる義務であり、その潜在的な規模は数値化できない。負債が計上されていないからといって、義務がなくなるわけではない。
出典:2026年のフォーム10-Q、注記8および11、48、52–53ページ。
9. 次に問われるのは、資金調達余力の範囲で利益を伴う成長を続けられるか
事業が強まったシュワブに今必要なのは、従来の銀行借入金を再び大幅に減らすこと以上に、規律ある資金調達だ。顧客資産の獲得、運用サービスの手数料、融資需要が、さらなる成長を支える。上半期の業績は、改善が1四半期だけにとどまらないことを裏付けている。
これに対する最も強い反証も具体的だ。取引一件当たりの収益は減少し、個人向け部門の主要な資金流入は上半期に弱まった。また、資産の拡大が自己資本の積み上がりを上回った。保有有価証券の市場価値も、依然として帳簿上の価額を大きく下回っている。これらは、成長に必要な資本が増えたり、収益性が低下したりする可能性のある分野だ。
経営陣は、支払利息を除く通期の報告ベースの費用が約10%–11%増えると見込んでいた。これにはフォージと、事業活動を支えるための費用が含まれる。そのため、利益率の改善を持続させるには、収益がこれらの費用を十分に上回る速さで増える必要がある。取引が低調になったり、資産価格が下がったりすれば、手数料収入が減る可能性がある一方、人員や技術への支出は続く。
経営陣のモデルでは、金利低下の影響は小さくなっている。このモデルは、金利が動いたときに利息から得る収益がどう変わるかを試算し、顧客の現金残高や借り換えのための借入も変化すると想定している。このように貸借対照表の変化を織り込むシミュレーションでは、金利が直ちに1パーセントポイント低下した場合、2026年6月30日時点で、その後12か月の純受取利息は1.6%減る。2025年12月31日時点では5.3%の減少だった。2パーセントポイントの低下では、減少率は5.3%で、比較対象時点の15.0%から縮小した。これらはモデルによる試算であり、予測ではない。比較する両時点とも、当四半期に初めて開示された、残高の変化を織り込む手法を使っている。
経営陣は、試算上の下振れが小さくなった主な理由を、ヘッジと貸借対照表の変化だと説明した。ただし、どの金利シナリオでも同じように改善したわけではない。金利が1パーセントポイント上昇すると、モデル上の純受取利息は3.6%増える。年末時点では2.0%の増加だった。したがって、このモデルが示すのは利下げによる下振れの縮小であり、あらゆる金利変動の影響が一律に小さくなったということではない。預金の動きや担保価値、市場での資金調達を保証するものでもない。実際に問われるのは、チャールズ・シュワブが顧客の資金を維持し、許容できるコストで融資の原資を調達し、増やした資産を支えるだけの利益を社内に残せるかどうかだ。
チャールズ・シュワブの事業は大きく前進している。顧客との取引関係が広がり、そこから得る収益も増えている。この前進を持続的な利益成長につなげられるかは、貸出金利と資金調達金利の差から得る利ざややサービスの利益率を健全に保ちつつ、株主への還元と投資支出を資本の積み上がりに見合う水準にできるかにかかっている。
出典:2026年Form 10-Q、費用見通し、13ページ;市場リスクのシミュレーションと手法、16–19ページ;資本管理、23–24ページ。総合評価は、第1–8節で引用した根拠を合わせたもの。
10. 計算に関する注記
計算に関する注記:以下の金額は、特記がない限り百万米ドル単位。比率は報告された財務諸表の金額から計算し、表示する段階で丸めている。
- 成長率:収益 = 7,072 / 5,851 − 1 = 20.87%;純利益 = 2,800 / 2,126 − 1 = 31.70%。上半期の収益成長率 = 13,554 / 11,450 − 1 = 18.38%;上半期の利益成長率 = 5,279 / 4,035 − 1 = 30.83%。
- 利益の増減の内訳:2,803 + (7,072 − 5,851) − (3,403 − 3,048) = 3,669。四半期の純利益率を計算すると、2,800 / 7,072 = 39.59%、および2,126 / 5,851 = 36.34%となる。収益増加額に占める純受取利息の割合は535 / 1,221 = 43.82%。
- 部門別の税引前利益率は、第3節の各部門の税引前利益をその部門の収益で割っている。投資家サービス部門の上半期の主要な資金流入は、十億米ドル単位で92.6 + 1.2 = 93.8、および100.7 + 12.0 = 112.7。開示された同社プラットフォーム外の譲渡性預金(CD)への資金流出だけを除いている。
- 貸借対照表の確認:負債467,119 + 自己資本50,147 = 資産517,266。比較対象日では441,570 + 49,425 = 490,995。自己資本が722増えた一方、資産は26,271増えた。
- 利益剰余金:44,065 + 5,279 − 25 − 152 − 1,123 = 48,044。払込資本:27,996 − 132 + 211 + 104 = 28,179。自己株式の帳簿価額:18,437 + 3,407 − 190 + 81 = 21,735。純利益に含まれないその他の包括利益:税引前531 − 税金123 = 税引後408。
- 営業活動による現金収支:利益5,279 + 調整額1,606 + 営業に関わる残高の変動4,757 = 11,642。現金の増減:11,642 − 6,424 − 5,677 = −459;69,661 − 459 = 69,202。期末現金残高:貸借対照表に独立して表示された現金・現金同等物40,580 + 使途制限付き現金28,622 = 69,202。銀行預金と証券取引顧客の現金残高の合計増加額は、(249,682 + 123,968) − (255,747 + 116,341) = 1,562。
- 有価証券投資による現金収支:購入−10,959 + 売却6,091 + 償還4,549 − 購入2,336 + 償還6,527 = 3,872。普通株式の買い戻し支払額と配当支払額の合計 = 3,377 + 1,275 = 4,652。これは現金の配分を示すもので、フリーキャッシュフローの計算ではない。
- 資産の取得額:現金での購入325 + 現金支出を伴わない購入未払額の増減640 = 報告された設備投資額965。ソフトウェア契約に伴う債務の初回支払いは別に分類されており、この資産取得額の合計に再び加えるべきではない。
- 新規発行債券の当初の年間利息:1,000 × 4.744% + 1,250 × 5.493% + 1,000 × 4.603% = 162.1325。ヘッジ、発行費用、その後の金利改定、返済した債務について支払わずに済む利息は含まない。
- 四半期の調整表を補足する、上半期の調整後普通株主帰属利益:2026年は5,078 + 274 + 39 − 74 = 5,317;2025年は3,773 + 258 − 63 = 3,968。報告ベース/調整後の希薄化後一株当たり利益(EPS)は、それぞれ$2.91/$3.05、および$2.07/$2.17だった。一株当たりの影響は、丸めた株式数で計算した結果とわずかに異なる場合がある。
- 有価証券の評価差額は、帳簿価額または償却原価から公正価値を差し引いている。満期保有目的:130,568 − 121,206 = 9,362、比較対象は133,969 − 126,055 = 7,914。売却可能:66,312 − 62,467 = 3,845、比較対象は66,225 − 62,357 = 3,868。これらは信用損失の見積もりではない。
出典:2026年Form 10-Q、財務諸表、29–35ページ;非GAAP指標の調整表、27ページ;注記6、10、15、19。過去の年間純受取利息には、2025年Form 10-Kの純受取利息の表を使用している。資産の照合には、独立に検証したXBRL抽出データではなく、2026年6月30日と2025年12月31日時点の連結貸借対照表を使用している。
本レポートは、事業と財務の実績を説明する情報提供を目的としている。投資助言ではない。