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2026年10月7日水曜日
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アップラビン、インストール数減少でも広告収入増加

執筆 MinJeKim

アップラビン、インストール数が減っても広告売上高は増加

他社のアプリ内に広告を出し、広告主の顧客獲得を支援するアップラビンは、2026年第2四半期に売上高を53%伸ばした。AppLovin Adsを通じたアプリのインストール数は2%減少したが、それを補った。インストール当たりの売上高の上昇が成長を支え、増収分の大半が営業利益になった。事業から生まれた現金は、技術開発と自社株買いの資金を賄うのに十分だった。ただし、上半期は顧客からまだ回収していない代金の増加や税金の支払い増加などにより、営業活動から得た現金の伸びが決算上の利益の伸びを下回った。

出典:Form 10-Q、損益計算書およびキャッシュフロー計算書、4、8ページ;売上高と営業キャッシュフローの説明、23、26ページ。

報告の基準:アップラビンの米国会計基準(GAAP)に基づく連結業績。会社とその完全子会社の業績を合算し、相互の取引を除いている。本分析は2026年4月~6月と2026年1月~6月を対象とし、2025年の同じ期間と比較する。貸借対照表は2026年6月30日と2025年12月31日を比較する。対象としたForm 10-Qの提出日は2026年8月5日。SEC受付番号は0001751008-26-000059、企業識別番号(CIK)は0001751008。情報の基準日は2026年10月7日。その後の資料による補足情報は別途明示する。予測はあくまで経営陣による予測である。

出典:SEC提出書類一覧、2026年8月5日;Form 10-Q、表紙および注記1。

1. インストール当たりの売上高上昇が成長を支えた

インストール当たりの広告売上高の上昇が、インストール数の減少を補った。広告主はアップラビンに、広告費に対する成果の目標を満たしながら顧客を獲得するといった広告活動の目標を伝える。同社の推奨システムAxonが広告の配信機会を選ぶ。広告の効果が高まれば、顧客は目標を満たしながら支出を増やせる。

同社は、広告枠を買う広告主と、それを提供する媒体運営者の間に立つ。広告主が広告枠を受け取るまでの間、アップラビンがその枠を支配しているわけではない。そのため、広告主への請求額から、媒体運営者に支払った金額や支払う予定の金額を差し引いて売上高を報告する。これが純額での売上計上である。同社の高い利益率は、プラットフォームを通じて流れる広告費全体ではなく、この差し引き後の小さな売上高を基準に測られている。

売上高は、広告が表示された時点、またはクリックやインストールなどの指定された行動が起きた時点で計上する。その時点で顧客が請求書の代金を支払っている必要はない。ほぼすべての契約はいつでも解約できるため、現在の売上高は現在の利用を示すものであり、長期契約で確保された受注残を示すものではない。

出典:Form 10-Q、注記3、12~13ページ;経営陣による財政状態と経営成績の説明・分析、18~21ページ。

連結継続事業;単位:百万ドル、比率を除く2025年第2四半期2026年第2四半期2025年上半期2026年上半期
売上高1,258.7541,923.6862,417.7283,766.135
営業利益957.6821,494.2771,797.6642,934.210
営業利益率(算出値)76.1%77.7%74.4%77.9%
継続事業純利益771.8561,266.5381,495.3942,472.151
継続事業純利益率(算出値)61.3%65.8%61.9%65.6%

出典:Form 10-Q、連結損益計算書、4ページ。

報告の基準:数値は旧Apps事業を除く。

計算上の注記:各利益率は、対応する利益を売上高で割ったもの。売上高の各一ドルのうち、それぞれの利益としてどれだけ残ったかを示す。

経営陣は、四半期の増収は主にインストール当たりの純額売上高が58%上昇したためで、インストール数の2%減少がその効果を一部打ち消したと説明している。上半期はこの傾向がさらに強く、インストール当たりの売上高が75%増加する一方、インストール数は10%減少した。これらの指標は、成果当たりにアップラビンが得る金額の改善を裏付ける。ただし、広告活動の目標、顧客の構成、媒体運営者への報酬はそれぞれ異なり得るため、一律の広告価格が58%上昇したことを示すものではない。

これらの事業指標だけでは、報告された増収率を正確には説明できない。1.58に0.98を掛けると四半期の増収率は54.8%となるが、実際は52.8%だった。上半期では、1.75に0.90を掛けると57.5%となるが、実際は55.8%だった。通常の整数パーセントへの四捨五入だけでは、いずれの差も十分に説明できない。提出書類には、AppLovin Adsのインストール指標と連結売上高の差を調整してつなぐ説明がない。そのため、裏付けられる結論は、インストール当たりの純額売上高の上昇がインストール数の減少を上回ったという、経営陣が示す大きな方向性である。

成長は幅広い地域に及んだ。米国の利用者に関連する売上高は50.3%増の9億8,960万ドル、その他の地域の利用者に関連する売上高は55.6%増の9億3,410万ドルとなった。増収への寄与額はそれぞれ3億3,130万ドルと3億3,360万ドルだった。ここでの地域は広告を見る人の所在地を示し、必ずしも広告主の本社所在地ではない。

出典:Form 10-Q、注記3、12ページ;売上高の説明、23ページ。

過去の記録は、四半期ごとの進展にはばらつきがあるものの、数年にわたる改善を裏付けている。アップラビンは2024年第2四半期の株主向け書簡で、ソフトウェア・プラットフォーム事業の売上高が前年同期の4億610万ドルから7億1,100万ドルに増えたと報告した。同社はこの増加をAxonの改善によるものと説明した。一方、2024年第1四半期の6億7,840万ドルからの増加率は4.8%で、前四半期比の伸びははるかに小さかった。

出典:アップラビンの2024年第2四半期株主向け書簡、3~4、15ページ。過去のソフトウェア・プラットフォーム事業の数値は部門別業績であり、過去の連結売上高ではない。

今回の提出書類から計算すると、2026年第2四半期の売上高は第1四半期比で4.4%増加した。前四半期からの伸びがこのように小さくても、前年同期からは大きく伸びることがある。この比較は、前年同期比の成長率だけでは足元の勢いを説明できない理由を示している。モデル改善の時期に関する経営陣の説明は第7節で検討する。成長率だけで、それが原因だと確かめることはできない。

2. 計算設備と技術者への支出が増えても利益は成長

継続事業は、主要な技術関連費用が増える中でも利益率を高めた。四半期の売上高は6億6,490万ドル増えた一方、営業費用全体の増加は1億2,830万ドルだった。その差額の5億3,660万ドルが営業利益の増加につながった。これは当四半期に確認された結果であり、今後も費用が同じように動くという恒久的な法則ではない。

費用増加の大きな部分を占めたのは、計算処理を支える設備だった。四半期のデータセンター費用は1億2,890万ドルから1億8,100万ドルに増えた。この増加が、売上原価の7,070万ドル増加の大半を説明する。ただし、売上高の伸びの方が速かったため、報告売上高に占めるデータセンター費用の割合は約10.2%から9.4%に下がった。

研究開発費は倍以上の9,990万ドルに増えた。増加額5,590万ドルのうち、従業員関連費用が5,480万ドルを占めた。研究開発費に含まれる株式報酬は1,720万ドルから6,890万ドルに増え、増加の大半を説明した。株式で支払う報酬も実際の雇用費用である。ただし、その費用を計上する際に、通常は直ちに現金を支払う必要はない。

出典:Form 10-Q、注記8、15ページ;注記11、17ページ;費用の説明、23~24ページ。

アップラビンが広告施策への支出を増やしたことで、マーケティング費用も増加した。一方、一般管理費は1,470万ドル減少した。この減少のうち、顧客から代金を回収できないことに備える貸倒費用の減少が950万ドル、専門家サービス費用の減少が520万ドルを占めた。これらの節約は利益を押し上げたが、貸倒費用が減ったというだけでは、過去に積み立てた貸倒引当金を取り崩したとは判断できない。

上半期の業績は、改善が1四半期だけにとどまらなかったとの見方を強める。営業利益は63.2%増え、売上高のうち営業利益として残る割合である営業利益率は約3.6ポイント上昇した。計算処理の費用や従業員報酬の増加を吸収した後も、事業規模の拡大による効果は大きかった。ただし、その効果を維持するには継続的な技術開発が必要である。その支出が、売上高を生む製品を支えている。

出典:Form 10-Q、連結損益計算書、4ページ;費用の説明、23~24ページ。

営業利益より後の段階で計算される利益にも、追加の押し上げ要因があった。四半期のその他収益は8,470万ドル増加した。経営陣は主な要因として、投資の評価見直しによる損益の5,170万ドルの改善、受取利息の2,130万ドル増加、為替差益の純額の1,200万ドル増加を挙げた。これらは税引き前の影響であり、提出書類は各項目の税引き後の金額を個別に示していない。

投資による利益は、広告事業の業績と分けて考える必要がある。保有する未公開株式ファンドの評価額は、年末の1億1,870万ドルに対し、6月30日時点で1億7,300万ドルだった。これらから生じた未実現利益は四半期で3,130万ドル、上半期で5,060万ドルだった。こうした保有資産は通常、希望すればすぐに払い戻しを受けられるものではない。そのため、会計上の評価額が上がっても、顧客から現金を受け取った場合と同じように支出できる資金が増えるわけではない。

出典:Form 10-Q、注記4、12~13ページ;その他収益の説明、25ページ。

利益のうち税金に充てられる割合は増えた。税金費用を税引き前利益で割った実効税率は、四半期では12.7%から15.9%に、上半期では10.9%から15.8%に上昇した。経営陣は税金費用が増えた理由として、税引き前利益の増加、海外利益の構成、株式報酬に伴う税負担軽減効果の縮小を挙げ、国外由来所得の控除拡大がその一部を相殺したと説明した。税引き前利益が増えれば、税率が上がらなくても税額は増え得る。提出書類は、各要因が税率の変化にどれだけ寄与したかを数値で示していない。この控除は、対象となる国外由来所得についての規則に基づき、課税所得を減らすものである。

本業とその他の影響を分けることが重要である。四半期の営業利益は、営業外損益の改善を含める前の段階で5億3,660万ドル増加した一方、法人税等の費用計上額は1億2,680万ドル増えた。したがって、純利益の増加分すべてを繰り返し得られる広告利益とみなさなくても、これらの数値は中核事業の力強い成長を裏付けている。

出典:Form 10-Q、注記10、17ページ;損益計算書、4ページ;税金の説明、25ページ。

アップラビンは、資金調達の費用、税金、長く使う資産の価値を徐々に費用にする減価償却・償却費、およびいくつかのその他項目を除いた利益も示している。同社はこれを調整後EBITDA、すなわち利息・税金・減価償却費・償却費を差し引く前の利益に調整を加えた指標と呼ぶ。追加の調整には、株式報酬を除くことも含まれる。この指標は経営陣の事業目標を理解する助けになるが、GAAPに基づく利益でも、顧客から回収した現金でもない。

調整表;単位:百万ドル2025年第2四半期2026年第2四半期
報告純利益819.5311,266.538
非継続事業利益を除外-47.6750.000
支払利息を加算51.40951.156
会社定義によるその他損益調整12.798-59.863
法人税等を加算112.148238.988
償却・減価償却・資産除却費を加算31.06432.563
営業外為替差益を除外-1.210-2.364
株式報酬を加算34.55285.783
取引関連費用を加算5.0970.059
事業再編費用を加算0.6330.963
調整後EBITDA(会社の非GAAP指標)1,018.3471,613.823

出典:Form 10-Q、非GAAP指標への調整表、19ページ。その他収益の調整では、通常の事業活動で繰り返し生じる為替の影響は指標に残している。

調整後EBITDAは58.5%増加し、売上高に占める割合は80.9%から83.9%に上昇した。計算から除外する株式報酬が大きく増えたため、この利益率は米国会計基準(GAAP)に基づく営業利益率77.7%と合わせて見る必要がある。どちらも改善しており、経営陣による調整項目をすべて一時的なものと認めなくても、本業が改善したという結論を裏づけている。

3. Apps事業の売却で比較しやすくなったが、単純な比較はできない

広告事業の利益は同じ条件で比べると大きく伸びた。一方、純利益全体の伸びには事業売却の影響が含まれる。アップラビンは広告事業に経営資源を集中させるため、自社で保有するモバイルゲーム事業を売却した。売却は2025年6月30日に完了し、今回の開示資料では、損益計算書に示すすべての期間について、この事業を継続事業と分けて表示している。

同社が受け取った対価は7億1,560万ドルで、内訳は現金4億3,060万ドルと、2億8,500万ドル相当のトリプルドット株式だった。この株式は売却完了時点で、発行済み普通株式の約22%、潜在株式をすべて含めた完全希薄化後では20%に相当した。アップラビンはこの保有株式に持分法を適用している。トリプルドットの売上高や費用を連結するのではなく、同社の損益のうち持分に応じた額を計上する方法である。

出典:Form 10-Q、注記2、10–11ページ。

旧Apps事業は2025年第2四半期に4,770万ドルの税引後利益を生んだが、上半期には9,940万ドルの税引後損失となった。上半期の損失には、のれんの減損損失1億8,890万ドルが含まれていた。売却自体では、取引費用を差し引いた後に1億620万ドルの税引前利益が生じた。税務上の会計処理には、繰延税金資産1億2,560万ドルの取り崩しも含まれていた。これらの金額は、税務上の扱いを整理せずに単純に純利益へ足し戻すことはできない。

このため、第2四半期の純利益全体は54.5%増加した一方、継続事業の純利益は64.1%増加した。上半期では大小関係が逆転し、純利益全体の伸び率が77.1%だったのに対し、継続事業は65.3%だった。アップラビンが現在営む事業を比べるには、継続事業の数値がより適している。

出典:Form 10-Q、注記2および連結損益計算書、4ページおよび10–11ページ。

この分離は戦略上のものであり、関係が完全になくなったわけではない。アップラビンは6月30日時点でも、持分法適用投資を2億9,000万ドル保有していた。また、トリプルドットとその子会社との広告取引から、広告掲載先への支払いを差し引いたアップラビンの売上高として、四半期に1,800万ドル、上半期に4,290万ドルが生じた。四半期の金額は連結売上高の1%未満であり、足元の成長に与える影響は限られている。

アップラビンは現在、1つの事業セグメントを報告している。AppLovin Adsが売上高のほぼすべてを生み、MAXは広告掲載先による広告枠の販売を支援し、Adjustはマーケティングの成果を測定し、Wurlはストリーミング動画の広告と配信を手がける。幅広い製品が広告の仕組みを支えているが、開示資料には、独立した複数の収益源があることを示す製品別の利益は記載されていない。同社は事業をより絞り込んでおり、それに伴って業績が広告配信の成功に依存する構造も明確になっている。

出典:Form 10-Q、注記11–12、17ページ、事業モデル、18ページ。

4. 顧客からの未回収額と納税で、現金収入は利益を下回った

上半期の営業キャッシュフローの伸びは、報告された利益の伸びを下回った。営業活動で生み出した現金は34.7%増の21億6,000万ドルで、純利益の約87%に相当した。顧客から代金を受け取る時期、税金の現金支払い、会計上の利益や費用が、この差に影響する。この比率は、利益との差額すべてが回収待ちの利益であることを意味しない。また、この比率だけでは、利益の質が低いとも高いとも判断できない。

純利益から営業キャッシュフローへの調整で、最大のマイナス項目は顧客からの未回収代金である売上債権だった。アップラビンは代金をすべて受け取る前に売上高を計上しており、キャッシュフロー計算書では、売上債権の増加による3億5,260万ドルの資金使用を記録している。その他の営業資産には5,690万ドルの資金を使った。仕入先への未払い残高は一時的に2,960万ドルの資金をもたらした一方、未払費用などの負債の減少には1億2,500万ドルの資金を使った。

上半期の連結利益から現金への調整(百万ドル)20252026
報告純利益1,395.9502,472.151
償却・減価償却・資産取り崩し126.94066.228
のれんの減損損失188.9430.000
株式報酬(現金決済分を除く)97.026168.981
売却益の控除(取引費用差引後)-106.2290.000
その他の調整41.617-42.130
売上債権の増加-291.551-352.557
前払費用・その他資産の増減20.691-56.890
買掛金の増加39.04029.617
未払費用・その他負債の増減91.511-124.967
営業キャッシュフロー1,603.9382,160.433

出典:Form 10-Q、連結キャッシュフロー計算書、8ページ。

報告の対象範囲:2025年の計算書には非継続事業が含まれるため、この比較は継続する広告事業が生み出した現金だけを取り出したものではない。

営業資産と営業負債の増減による資金使用は、2026年に合計5億480万ドルとなり、2025年の1億4,030万ドルから増加した。この資金使用が3億6,450万ドル増えたことが、営業キャッシュフローの伸びが利益の伸びを下回った主な理由である。それ以外の調整項目による加算額は、2026年が1億9,310万ドル、2025年が3億4,830万ドルだった。この1億5,520万ドルの減少もキャッシュフローの伸びを抑えた。前年の調整項目には旧Apps事業の減損損失と売却益が含まれていた。

計算上の注記:上表の調整項目を合計すると、2026年は1億9,307万9,000ドル、2025年は3億4,829万7,000ドルとなる。純利益の増加額10億7,620万1,000ドルから、調整額の減少分1億5,521万8,000ドルと営業資産・営業負債による資金使用の増加分3億6,448万8,000ドルを差し引くと、営業キャッシュフローの増加額5億5,649万5,000ドルに一致する。

経営陣によると、売上高の拡大に伴って顧客からの回収額が増えたものの、広告掲載先への支払い、営業上の支出、法人所得税の支払いが、その増加分の一部を相殺した。

特に影響が大きかったのは税金の現金支払いで、上半期は6億3,980万ドルとなり、前年同期の1億60万ドルから増加した。税金の現金支払いは期間中に実際に支払った金額を指す一方、法人税等の費用計上額は、報告した利益に対応する税負担の見積額である。この差を、運転資本の増減による資金の動きを示す内訳に別の資金使用として加えてはいけない。関連する調整と支払いは、すでに計算書に反映されているためである。

出典:Form 10-Q、キャッシュフロー計算書、8ページ、営業キャッシュフローの説明、26ページ。

第2四半期単独では、営業キャッシュフローは8億6,900万ドル、会社が定義するフリーキャッシュフローは8億6,330万ドルだった。2025年はそれぞれ7億7,220万ドルと7億6,810万ドルであり、四半期の営業キャッシュフローは12.5%増加した。2025年の現金の数値には旧Apps事業が含まれるため、この伸び率は、継続事業の利益の比較のように継続事業だけを取り出したものではない。経営陣は、調整後利益のうちフリーキャッシュフローとなる割合が低下した理由を、海外での納税と利払いの時期によるものと説明し、第3四半期にはその割合が改善すると見込んだ。

出典:アップラビンの第2四半期決算発表、2026年8月5日、四半期キャッシュフローの調整表、同社決算説明会の書き起こし、4ページ。

貸借対照表上の売上債権は上半期に19.3%増え、21億7,100万ドルとなった。支払期限は通常、月末から30日後である。ただし、この残高を報告された純額の売上高で割っても、回収にかかる日数を適切には測れない。同社は広告主の支出と広告掲載先への支払いを仲介しており、売上高はすでに広告枠の費用を差し引いた金額だからである。開示資料には、比較に使える総請求額の分母も、回収状況の悪化を判断するのに十分な、未回収期間別の債権明細も示されていない。

貸倒費用の減少は、顧客の支払能力が悪化しているという見方に対する反証の一つになるが、それだけでは結論を出せない。その後の回収状況や、未払い請求の滞留期間のほうが、より決定的な判断材料となる。現時点で裏づけられるのは、広告事業を支えるために必要な現金が増えているという点であり、顧客が支払えなくなっていることの証拠ではない。

出典:Form 10-Q、貸借対照表、3ページ、注記3、12ページ、管理費の説明、24ページ。

5. 生み出した現金で自社株を買い戻し、財務基盤も強化した

アップラビンは生み出した現金で自社株買いを賄い、そのうえで現金残高も増やした。同社は、営業キャッシュフローから有形固定資産の購入額とファイナンス・リースの元本返済額を差し引いて、フリーキャッシュフローを算出する。リース元本を含めることには意味がある。設備を直接購入しなくても、リースで使う設備には返済が必要だからである。

2026年上半期の現金配分(百万ドル)金額
営業活動による現金収入2,160.433
有形固定資産購入(支出を正数表示)1.840
ファイナンス・リース元本返済(支出を正数表示)8.528
会社定義のフリーキャッシュフロー2,150.065
自社株買いの現金支出1,532.952
従業員株式報酬の源泉税支払い46.451
自社株買い・従業員源泉税支払後の残額(計算値)570.662

出典:Form 10-Q、キャッシュフロー計算書およびフリーキャッシュフロー調整表、8ページおよび20ページ。フリーキャッシュフローは米国会計基準に基づかない指標である。その他の投資活動、財務活動、為替変動の影響が残るため、この残額は現金全体の増減額ではない。

設備購入額が小さいからといって、アップラビンの技術への支出が少ないわけではない。クラウドサービスの費用は営業費用に含まれ、報酬は開発業務を支えている。新たなリース契約では、その場で設備を購入しなくても資産と支払義務が生じることがある。同社は上半期に、リースの支払義務と引き換えに、借りた不動産や設備を使う権利を表す資産を6,030万ドル計上した。これは既存リースの変更を差し引いた額である。また、代金が未払いのソフトウエアライセンスを1,190万ドル取得した。

投資活動による資金使用は合計770万ドルで、リースに直接関係する初期費用と設備購入が含まれる。財務活動では15億8,300万ドルを使い、その主な用途は自社株買いと従業員の源泉税支払いだった。新たな社債発行や銀行借入による収入はなく、それらの元本返済もなかったが、上表に示したファイナンス・リースの元本返済は行った。為替変動による390万ドルのマイナス影響を差し引いた後、現金は5億6,620万ドル増加して30億5,300万ドルとなった。この調整表には、使途が制限された現金の残高は別途表示されていない。

出典:Form 10-Q、キャッシュフロー計算書、8ページ、投資活動・財務活動の説明、26–27ページ。

自社株買いは、株式を売る株主に現金を還元し、将来の利益を分け合う株式数を減らす。従業員向けの株式発行による増加を相殺することもできる一方、開発、買収、債務返済に使える現金を消費する。経営陣は、フリーキャッシュフローの減少を受けて第2四半期の自社株買いのペースを落としたと説明した。この対応により、自社株買いを続けながら、現金の使い道を柔軟に選べる余地を保った。

出典:アップラビン決算説明会の書き起こし、2026年8月5日、4ページ。

現金配当は報告されていない。同社は買い戻した約3.275百万株を自己株式として保有せず、消却した。従業員向けの株式発行と源泉徴収に伴う株式の差し引きを反映した後、発行済み株式総数は338.313百万株から335.291百万株に減少した。自社株買いによる純資産の減少額15億4,500万ドルは、現金支払額15億3,300万ドルとは異なる。開示資料には、未払負債に含まれる自社株買い1,850万ドルも記載されている。したがって、純資産への計上額と現金支出額を同じものとして扱うべきではない。

株式報酬は上半期に1億6,930万ドルと、引き続き無視できない規模であり、現金決済の報酬も含まれる。キャッシュフロー計算で足し戻した額は、現金決済分を除くため1億6,900万ドルだった。自社株買いの株数は期間中の株式発行数を上回ったが、報酬費用は依然として従業員を雇うためのコストの評価に含める必要がある。

出典:Form 10-Q、株主資本等変動計算書およびキャッシュフロー計算書、6–8ページ、注記7–8、14–15ページ。

四半期の希薄化後株式数は、前年同期から1.5%減り、337.031百万株となった。これは、平均発行済み株式数に、従業員報酬によって将来株式数が増える可能性を反映した追加株式数を加えたものである。この株式数で計算した継続事業の一株当たり利益は、$2.26から$3.76へ66.4%増加し、継続事業の純利益をやや上回る伸びとなった。株式数の減少も寄与したが、主な要因は利益の成長だった。将来株式数を増やす可能性のある従業員報酬の減少も希薄化後株式数に影響しているため、変化のすべてを自社株買いによるものとはみなせない。

資産から負債を差し引いた、会計上の株主資本は21億3,500万ドルから31億6,300万ドルに増えた。積み上げた利益を示す利益剰余金は、純利益24億7,200万ドルと自社株買いによる控除15億4,500万ドルを反映し、9億2,670万ドル増えた。これらの会計上の残高は、それぞれ別に保管された現金ではない。

株式への出資や株式報酬を記録する資本勘定である追加払込資本は、1億2,850万ドル増えた。株式報酬と株式発行が増加要因となり、従業員に渡す株式の一部を税金の源泉徴収のために留保したことが減少要因となった。海外事業の金額をドルに換算したことで2,680万ドルの損失が生じ、資本に直接計上された。これは純利益に含まれる為替差益とは別のものである。

出典:フォーム10-Q、包括利益計算書および株主資本変動計算書、5~6ページ、注記9、16ページ。

6. 支払いに使える資金は豊富だが、クラウド契約やリースにも現金が必要

当面の資金繰りは良好で、最初の社債償還は2029年に到来する。6月30日時点で、現金だけで流動負債を17億9,900万ドル上回っていた。アップラビンには、借入残高のない10億ドルのリボルビング融資枠もあった。これは契約条件を満たすことで借りられる予備の資金調達手段であり、すでに保有する追加の現金ではない。

連結貸借対照表(百万米ドル)2025年12月31日2026年6月30日
現金2,487.0963,053.306
債権(純額)1,819.3662,171.017
前払費用・その他流動資産124.330167.993
有形固定資産(純額)122.445111.948
のれん1,539.9861,518.587
無形資産(純額)396.714355.661
持分法適用投資287.666289.959
その他固定資産482.007600.660
資産合計7,259.6108,269.131
買掛金746.977778.942
未払費用・その他流動負債586.811475.016
長期債務(帳簿価額)3,512.9873,515.072
その他固定負債278.164337.085
負債合計5,124.9395,106.115
株主資本2,134.6713,163.016

出典:フォーム10-Q、貸借対照表、3ページ、資金繰りの説明、26ページ、債務残高および未使用のリボルビング融資枠、53ページ。

資産の増加額10億1,000万ドルの大半は、現金と債権の増加によるものだった。のれんは2,140万ドル減少したが、すべて為替換算によるもので、新たな減損によるものではない。無形資産は、償却、新規計上、為替の影響で帳簿価額が変動し、4,110万ドル減少した。上半期の償却額は5,130万ドルだった。顧客関係は2億8,060万ドルで、引き続き最大の無形資産だった。

有形固定資産の純額は1,050万ドル減少した。この減少額からも、現金による購入額が小さいことからも、維持と拡張に向けた支出の内訳は分からない。提出書類には、そのような内訳が1つも開示されていない。その他固定資産は1億1,870万ドル増えた。開示された増加要因の一つは、未公開株式ファンドの評価額が5,430万ドル増えたことだった。新たなリース債務に伴い、借りた不動産や設備を使用する権利を表す資産も増えた。ただし、この要約版の提出書類では、その他固定資産の変動を構成する各項目が十分には説明されていない。増加額の全額を現金による投資と呼ぶと、誤解を招く。重要な在庫残高は個別に報告されておらず、これは現物の商品を販売するのではなく、広告を仲介するという同社の事業内容と整合する。

出典:フォーム10-Q、注記4および6、12~14ページ、キャッシュフローの補足開示、8ページ。

社債の元本は合計35億5,000万ドルである。貸借対照表の計上額がこれより少ないのは、発行費用と発行時の割引額が差し引かれているためである。契約上の償還予定は次のとおりである。

社債償還期日元本(百万米ドル)年利率
2029年12月1,0005.125%
2031年12月1,0005.375%
2034年12月1,0005.500%
2054年12月5505.950%

これらの利率から計算した社債の年間利息は1億9,272万5,000ドルで、半年ごとに支払う。リボルビング融資枠も2029年12月に期限を迎えるが、延長できる条項がある。この融資枠では、現金を差し引いた債務と所定の利益指標との比率を、3.50対1.00以下に制限している。一定の条件を満たす買収後には、この上限が一時的に4.00対1.00に引き上げられる場合がある。計算に含める債務、現金、利益は契約で定義されており、後述する単純な「債務から現金を引いた額」とは同じではない。年次提出書類では、2025年12月31日時点でこの条件を守っていたと報告されている。

同日時点で、将来の支払いを現在価値に割り引く前の残りのリース支払額は、オペレーティング・リースが3,365万5,000ドル、ファイナンス・リースが1億4,027万2,000ドルだった。そのうち2026年に支払期限を迎える額は、それぞれ1,516万2,000ドルと2,250万ドルだった。この支払予定は、2026年の新たなリース契約より前のものである。

出典:2025年フォーム10-K、注記8~9、68~70ページ、2026年2月19日提出。

6月30日時点で、社債元本から現金を差し引いた額は4億9,670万ドルにとどまった。この計算値には、リースや営業活動に伴う負債は含まれない。上半期の支払利息は1億230万ドルだったのに対し、営業利益は29億3,400万ドルだった。現在の利益水準は、利息を支払う十分な余力をもたらしている。ただし、いずれ元本を返済する必要がなくなるわけではない。

クラウドの利用契約も、将来の現金支出を伴う。アップラビンは2024年8月に、3年間で最低13億ドルを支払う契約を結び、2026年6月までに9億5,350万ドルを支払っていた。したがって、残りの最低支払額は3億4,650万ドルだった。今後のクラウド利用料をこの支払義務に充てられるため、通常の事業運営とは別の追加費用になるとは限らない。ただし、需要が弱まった場合に支出を減らせる速さには制約がかかる。

手元の現金、継続的に現金を生み出す力、未使用の融資枠があるため、短期的な資金調達の負担は限られている。実際の制約は、資金を何に振り向けるかにある。自社株買い、計算処理能力の拡充、買収はいずれも、2029年の償還に備えるためにも使える同じ現金を必要とする。

出典:フォーム10-Q、注記5、13ページ、資金繰りと債務リスクの説明、26~27および53~54ページ。

7. 新たな広告主が成長の機会を広げるが、成果は引き続きモデルに左右される

ゲーム以外への拡大は有望だが、ゲーム事業とモデルの継続的な改善への依存はまだ解消されていない。8月の決算説明会で、経営陣はゲームが引き続き売上高の過半を占めると述べた。また、この四半期の伸びが鈍ったのはモデルの改善が6月の直後になったためだと説明し、広告掲載者の入札での競争上の立場は安定していると報告した。計算処理費用の増加は、翌四半期の見通しに織り込み済みだとも述べた。これらは経営陣の説明であり、独立した調査で測定された市場シェアの結果ではない。

経営陣はさらに、オンライン小売業者を含む消費者向け企業の広告支出が、2025年第4四半期の水準を28%上回ったと述べた。ただし、この事業の規模はまだ小さく、ゲーム事業の変動を和らげるには至っていない。Ads Managerの一般公開では、提携先の支援を受け、まず中規模の広告主を対象とした。この支出額は純売上高ではなく、消費者向け広告事業の利益への貢献度を示すものではない。

出典:アップラビン決算説明会の記録、2026年8月5日、1~4ページ。

この拡大の背景には、具体的な製品上の狙いがある。アップラビンが2月25日に提供を始めたDiscovery Campaignsは、広告主のブランドとこれまで接点のなかった買い物客を見つけることを目指す。一方、Prospecting Campaignsは、過去に購入したことのない人を対象とする。この違いは重要である。まったく新しい顧客を求める広告主は、すでにブランドを知っている人に広告を届ける場合とは異なる成果を重視する可能性があるためだ。

同社によると、これらのツールはShopifyとの連携などを通じて、過去の購入情報を利用する。初期の試験結果についての同社の主張は、販売促進のために示された情報であり、特定の顧客群の売上実績の開示でも、第三者が検証した収益性の調査でもない。新たな広告主が、顧客獲得費用を許容範囲に保ちながら初期の試用後も支出を続ければ、この事業の有望さを裏付ける根拠は強まる。

出典:アップラビン「Discovery Campaignsの紹介」、2026年2月25日。

アップラビンの好業績を評価する際には、競合の動向も併せて見る必要がある。ユニティが8月6日に公表した決算では、広告とアプリの収益化を支援するGrow Solutions事業の成長が報告された。ユニティは、Ads NetworkとVector技術が成長をもたらし、ironSourceの減少がその一部を相殺したと説明した。この発表は競合事業の成長を示しているが、それを技術改善と結び付ける説明はユニティ自身の評価である。

報告売上高(概算、百万米ドル)2025年第2四半期2026年第2四半期
アップラビン、連結継続事業1,2591,924
ユニティ、Grow Solutions287389

出典:アップラビンのフォーム10-Q、損益計算書、4ページ;ユニティの2026年第2四半期決算発表、2026年8月6日、Grow Solutionsの説明。

報告の基準:アップラビンの連結継続事業とユニティのGrow Solutionsは、製品の範囲と会計上の構成が異なる。これらの数値は市場シェアの比較ではない。

どちらの会社についても、その成長だけでは広告主が予算をどこへ移したかは分からない。ここから言えるのは、アップラビンが、同じく推薦技術を成果の要因とする成長中の競合に直面しているということだ。したがって、同社が競争上の立場を守るには、製品を継続的に改善することが引き続き重要となる。

アップラビンは第3四半期について、売上高を$2.055–$2.085 billion、調整後EBITDAを$1.710–$1.740 billionと予想した。売上高の予想範囲は、公表された第2四半期の実績を基準に計算すると、前四半期比6.8%~8.4%の増加に当たる。予想に基づく調整後利益率は約83%で、第2四半期の83.9%を下回る。一部の調整項目を信頼できる形で見積もれないため、経営陣はこの予想を米国会計基準(GAAP)の利益に換算する調整表を示さなかった。

出典:アップラビンの2026年第2四半期決算発表、2026年8月5日、第3四半期の業績見通し。

この組み合わせが実現すれば、利益率はやや低下しても、売上高と調整後利益の金額は増えることになる。広告製品を改善するために支出を増やすという方針とも整合する。事業面で問われるのは、四半期ごとに直近の最高利益率を維持できるかではなく、計算処理や技術開発への追加支出が、広告主に支出を続けてもらえるだけの成果を生むかどうかである。

8. プラットフォームの利用条件と法的リスクは引き続き事業の制約

好業績であっても、他社のルールへの依存はなくならない。アップラビンは、アップルとグーグルが管理するモバイルの仕組みに依存している。データの利用、アプリの配信、効果測定に関する変更は、同社の広告ツールの有効性を下げる可能性がある。一方、直ちに事業に支障が生じるという見方に対する反証として、提出書類は、過去のプラットフォームのプライバシー関連の変更が業績全体に与えた影響は比較的小さかったとしている。アップラビンは、データの取り扱いを適応させ、グーグルの同意管理要件に対応するためにMAXを更新していると説明している。広告主との契約は通常解約できるため、広告の成果が悪化すると、長期契約に守られた事業よりも早く売上高に影響が及ぶ可能性がある。

アップルの開発者プログラム使用許諾契約も、端末情報を導き出して利用者を一意に識別するフィンガープリンティングを禁じている。広告の選択や効果測定に使える情報が制限されるため、こうしたプライバシー規則の順守は製品そのものに影響する。ただし、これらの規則があることだけで、アップラビンが規則に違反したと判断できるわけではない。

出典:Form 10-Q、エコシステムに関する説明およびリスク要因、20ページおよび30~52ページ;アップル「ユーザーのプライバシーとデータの使用」、「トラッキングの許可を求める」およびフィンガープリンティングに関する指針、2026年10月7日閲覧。

四半期報告書は、アップラビンの広告サービスや成長について誤解を招く説明があったとする証券訴訟について記載している。ブラウンバック訴訟の修正訴状を退けるよう求めた申し立てについては、2026年2月に双方の書面提出が完了した。関連する株主代表訴訟は、その判断が出るまで手続きが停止されている。アップラビンはこれらの主張に反論しており、負担し得る最大額や損失額の範囲を合理的に見積もることはできないとしている。

注記5によると、6月30日時点で、会計上の計上や開示が必要な、将来の支払いにつながり得る重要な法的問題はなかった。この会計上の判断は、訴訟にリスクがないという意味ではない。不利な結果になれば、支払いや訴訟費用が発生したり、経営陣が本来の業務に十分な時間を割けなくなったりする可能性がある。報告書には、損失が生じた場合の金額を裏付ける情報はない。これとは別に、経営陣は8月の決算説明会で、米証券取引委員会(SEC)が措置を勧告せずに調査を終了したと述べた。この説明によって民事訴訟が解決するわけではない。

出典:Form 10-Q、注記5および訴訟手続き、13ページおよび29ページ;アップラビン決算説明会の書き起こし、2026年8月5日、4ページ。

税務上のリスクも、全体像を踏まえて見る必要がある。報告書によると、税負担の軽減効果として会計上まだ認めていない金額には、上半期に重要な変化がなく、今後12か月間にも重要な変化は見込まれていない。それでも、各国で得る利益や控除の変化は、将来の税金費用に影響し得る。税引き前利益に対する税金費用の割合である実効税率は、すでに上昇している。このことは、税引き前利益が大きく伸びても、税引き後利益が同じ割合で増えるとは限らない理由を示している。

経営への支配力も集中している。アダム・フォロギ氏、ヘラルド・チェン氏、および両氏の関係者・関連組織は、6月30日時点で、合わせて議決権の約67%を保有していた。そのため、買収や資金の配分など、会社の重要な意思決定に大きな影響力を持つ。両氏らが一貫して行動できることは長期的な事業計画を支える一方、そうした選択に対する他の株主の影響力を制限する。

出典:Form 10-Q、注記10、17ページ;議決権による支配に関する説明、55~56ページ。

9. 次の成長段階を賄う資金力はあるが、広告効果の改善を続ける必要がある

現在のアップラビンには、成長を支える取り組みに十分な資金を投じられる財務上の余力がある。広告売上高と、米国会計基準(GAAP)に基づく売上高に占める営業利益の割合は、ともに改善した。生み出した現金で、新たな借り入れをせずに多額の自社株買いを賄った。継続事業の数値を正しく使えば、売却したアプリ事業に左右されずに、事業本来の利益を比較できる。

事業運営上の中心的な課題は、対象期間にインストール数の減少を補った、インストール一件当たり売上高の高い水準を維持することだ。広告を届ける相手をより適切に選ぶことで顧客が広告費に見合う利益を得られるなら、この仕組みは強みになり得る。同時に、改善の時期と費用も重要になる。事業上の効果が十分に得られると確定する前にコンピューター処理費用が発生し、契約を解約できる顧客は、成果が弱まれば支出を減らせるためだ。

今後、この評価をさらに裏付けるのは、最近のモデル変更後も広告主が支出を続け、顧客への請求代金を期日どおりに回収できることだ。顧客が期日どおりに支払っていても、成長が続けば、未回収の代金である売掛金などの残高は増える可能性がある。消費者向け分野での利用が広がればゲームへの依存を減らせる可能性があるが、その貢献を測るには、分野を分けた売上高と利益の裏付けがなお必要だ。現時点の証拠が支える結論は、収益性が高く資金力もある広告事業であり、次の成長段階は、製品が引き続き効果を発揮することと、現金を規律ある形で使うことにかかっている、というものだ。

計算に関する注記:

  • 成長率は、当期の金額を前年同期の金額で割り、1を引いて求める。利益率は、該当する利益を継続事業の売上高で割って求める。パーセントポイントで示す変化は、2つの利益率の差である。表の金額は百万ドル単位に換算した後も、報告書の千ドル単位の精度を保っている。本文の金額は丸めている。
  • 四半期売上高の成長率:1,923.686 / 1,258.754 − 1 = 52.8%。継続事業利益の成長率:1,266.538 / 771.856 − 1 = 64.1%。上半期の営業利益成長率:2,934.210 / 1,797.664 − 1 = 63.2%。2026年第1四半期の売上高は、上半期から第2四半期を差し引くと、1,842.449百万ドルとなる。
  • 上半期の営業に関わる資産・負債の変動による現金使用額:−352.557 − 56.890 + 29.617 − 124.967 = −504.797百万ドル。前年:−291.551 + 20.691 + 39.040 + 91.511 = −140.309百万ドル。
  • 現金残高の増減の照合(百万ドル):2,487.096 + 2,160.433 − 7.688 − 1,582.651 − 3.884 = 3,053.306。2025年の現金増加額4億5,119万7,000ドルには、非継続事業が含まれる。非継続事業の現金減少額4,438万1,000ドルを除くと、継続事業の現金残高の増加額は4億9,557万8,000ドルとなる:697.030 + 451.197 − (−44.381) = 1,192.608。この残高の照合は、継続事業の営業活動による現金の収支だけを取り出したものではない。
  • 株主資本の増減の照合(百万ドル):2,134.671 + 2,472.151 + 168.981 + 5.280 − 45.754 − 1,545.495 − 26.818 = 3,163.016。貸借対照表の等式:6月30日時点で5,106.115 + 3,163.016 = 8,269.131。12月31日時点で5,124.939 + 2,134.671 = 7,259.610。
  • 社債の年間利払い額(百万ドル):1,000 × 5.125% + 1,000 × 5.375% + 1,000 × 5.500% + 550 × 5.950% = 192.725。リース、融資枠の手数料、借り入れに伴う費用を期間に分けて計上する償却費は含まない。社債元本から現金を差し引いた額は3,550 − 3,053.306 = 496.694百万ドルであり、借入契約の財務条件に基づく計算ではない。
  • 報告書の財務諸表の金額は、一株当たりのデータを除き、千米ドル単位で示されている。本レポートでは、これらを百万ドル単位に換算している。売上高と利益の対象期間は、表示に応じて4月~6月、または1月~6月である。資産は、指定された日時点の残高である。報告書のキャッシュフロー計算書は6か月間を対象としている。四半期の現金収支の金額は、別途出典を示した決算発表資料に基づく。

出典:Form 10-Q、連結財務諸表、3~8ページ。SEC提出書類一覧には、抽出されたXBRLインスタンスも掲載されている。ここでの数値の確認は財務諸表に基づいており、コンピューターで読み取れるこのファイルを別途検証したものではない。

本レポートは、情報提供と事業分析のみを目的としている。投資助言ではない。

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